レオと私、3つの約束
2007年7月16日
(月曜祝日)
大好きな甲斐犬の女の子がヒート中ということで
2〜3日前から朝晩のお散歩に、お通いが始まりました。
いつも、春先なのに何故いまごろ??と思いつつお付き合い
元気でした。
こんな時、食欲が無くなるのもいつものことでした
 (食欲無し)(便正常)(呼吸正常)(水飲みの量、回数正常)
  
2007年7月17日
(火曜日)
朝のお散歩、いつものように彼女の家にまっしぐら
会って遊んで満足して帰ってきました
相変わらず食欲が無くお粥を作ってあげると少し食べただけで
大好きなジャーキーも食べようとせず、心配になってきました
夕方もパパさんがお散歩から帰ると、甲斐犬の彼女と遊んだと
話してくれました
 (食欲無し)(便正常)(呼吸正常)(水飲みの量、回数正常)
  
2007年7月18日
(水曜日)
朝、少しだるそうにしていたけど、お散歩を嫌がる様子もなく
ただ彼女の家の前は素通りだったので終わったのだと思った
帰り道、後ろの右足の様子が変で、びっこを引いていた。
家に帰り、足を曲げたり伸ばしたり、お腹や腰のあたりを
押したりしても痛がる様子はなし
病院が休みだったこともあり今日一日様子をみることに・・・
夕方の散歩は普通に歩いていたとのこと
夕飯は茹でた鳥のササミ2本とドライフード
久しぶりにたくさん食べてくれたので少しホッとする。
パパさんと「やっぱり恋煩いだったのね」と話していました
歯磨きしたとき、歯茎の色は正常でした
 (食欲回復)(便無し)(呼吸正常)(水飲みの量、回数正常)
 
2007年7月19日
(木曜日)
朝、びっこを引くこともなく元気にお散歩
途中で帰ろうと言っても「もう少し」と言いたげに見返す
久しぶりに、遠くの公園まで行き、お友達とも会って・・・
結局2時間近く歩き、家の近くまで来たところでやっとウンチ
ドキッとするくらい赤っぽいウンチをほんの少し・・・(イヤな予感)
検査のためにティッシュにくるまず持ち帰る
家に帰って、ササミを茹でているとニオイを嗅ぎつけ
いつものように早くくれと言わんばかりに台所まで来てお座りして
美味しそうに全部食べてくれた。
ボールもキレイに舐めて、ジャーキーも、とても嬉しそうに・・・・
もう大丈夫と思った
 (食欲正常)(便異常)(呼吸正常)(水飲みの量、回数正常)
 
09:20 念のために、朝のウンチを持って病院に・・
検便と、ゴールデンの宿命とも言える股関節が心配だったので
レントゲンをとってもらおうと思っていました。
このときはまだ、軽く考えていました。
一緒に家に帰れるものと思っていた。
 
 10:10 待合室はいつも満員
なので、体の大きいレオは順番が来るまでいつも車の中で待機
順番が来たので迎えに行く
いつもは喜んで車から飛び降りてくるのに後部座席に座ったまま
怠そうにしている。
ほんの少しの間に、全身の毛が白くなったような気がした。
診察室まで、パパさんにだっこしてもらって行く。
 
10:20 血液検査と、レントゲン撮影
先生に抱えられてレントゲン室へと向かうレオの姿を見送る。
 
10:50 検査結果が出ました
5月14日の検査では正常値だったはずの
・血小板数(PLT)175〜500 が 18 正常値の10分の一です
・クレアチニンキナーゼ(CPK)49〜166 が >2000
 測れないほどの数値だと言う
その時点で歯茎も、舌も真っ白になっていました。
レントゲンも腰や股関節に異常はなく、
ただ、お腹に水が溜まっているようだと・・・・
血液検査の結果と総合して考えられることは、
からだの何処かに腫瘍があり出血しているとの見解
この時点で、先生にはある程度の予測ができていたと思う。
至急、お腹の方までのレントゲン撮影とエコー撮影をすることに
  
11:30 結果、脾臓に出来た腫瘍が破裂したことで出血
血小板が少ないため、その出血が止まらないということ
輸血が必要とのこと
緊急に手術が必要とのこと
かなりリスクの高い手術になるということ
手術に必要な供血犬と連絡がとれ次第手術をするとのことで
病院にレオを預け自宅待機となる
頭から血の気が引いていくようで足の震えが止まらない
 
11;50 レオを病院に預け、一時帰宅、
病院からの連絡を待つことに
「大丈夫だよ、大丈夫、大丈夫、きっと大丈夫」
 
17:40 やっと病院から電話が入る、
「輸血で少し安定してきているので午後7時より手術をします」
との連絡が入り病院へ向かう
 
18:30 院長先生から現状と手術の説明があり
「開腹してみなければ、はっきりとは言えませんが
 他の臓器への転移がなければ脾臓を切除するだけで回復の
 見込みがあります
 ただし、朝から輸血しても血小板が 37 までしか上がりません
 最善を尽くします」と言ってくださいました

ケージに入れられ輸血の針と管をつけ、ぐったりと横たわるレオ
はじめてのケージと知らない人たちの中でどんなに不安だったか
私たちが傍に行き声をかけると、
よろめきながら一生懸命に立って前足を伸ばしてきた。
ケージに手を入れ、可能な限り撫でて撫でて・・・・
「頑張って!必ず帰ってきて!待ってるから」と声をかけると
一度だけ小さく「わん」とこたえてくれた。
 
18;45 手術前に、安静にしたいのでと言われ一旦帰宅
 
21:35 病院からの電話
「残念ながら、広範囲の転移癌が肉眼で確認できました
 飼い主さまの意向をお伺いしたいと思います。
 今まだ、お腹が開いた状態ですがいらっしゃいますか?」
手術室へ通され院長先生から説明がありました
お腹に出血した血液を循環させ輸血しながらの手術
切除した脾臓と肝臓、小さく無数の癌が散らばっていました
「おそらく、血管肉腫であると思われます
 残されたもうひとつの肝臓も同様に転移した癌がみられます
 もうひとつの肝臓は取ることはできません
 どうにか出血を止め縫合して麻酔から醒ましてお別れを言うか、
 医者として言ってはいけないのかも知れませんが、
 このまま麻酔から醒まさず安らかな死を受け入れるかです」
「家に帰れるんですか?回復の見込みは無いんですか?」
「残念ですが回復は・・・」
「麻酔から醒ました時、痛むんでしょうか?」
「はい、相当に・・・・覚悟がいると思います」


  
私たちは、後者を選びました。
最善を尽くしてくださった院長先生、スタッフのみなさん、ありがとうございました
供血してくださったわんちゃん、あなたの血が無ければ手術前に会うこともできなかった
本当に、ありがとうございました
それはそれは大きな箱の中で安らかに眠るレオを車に乗せ
すべての思考を停止したようにパパさんと交わす言葉も無く
ただ「レオと散歩した場所を廻って帰ろう・・・・」と言うのが精一杯

いっぱい、いっぱいのレオとの思い出の場所
運転しながら「えっ!?こんな方まで来てたの?」って・・・
パパさんが驚くほどの範囲を歩いたんだよ

今朝のお散歩、あんなに遠くまで行ったのは、
たくさんの公園を廻ったのは、お友達にお別れを言うためだった?

レオたん、あなたはね、とっても社交的で優しいから
いっぱい、いっぱい友達が出来て、
お陰で、私もいっぱいの犬トモが出来たことに感謝です

レオたんあなたはね、私やパパさんに
いっぱい、いっぱいの幸せをくれたんだよ

ありがとう